古い銭湯などに行くと必ずといっていいほど置いてあるのが、ケロリンの黄色い桶。
これは内外薬品が製造販売する頭痛薬(鎮痛剤)のこと。風呂桶に書かれているのは宣伝のためだそうだ。昭和の初期はテレビの普及率がそれほどでもなく(オリンピック前は)、宣伝に銭湯と使ってはと考えられたのだろう。
出典:内外薬品株式会社より
そんなケロリン桶は、親しみのある昭和の匂いのするアイテムということで、コミックやアニメなどにも登場する。
テルマエ・ロマエ
風呂が出てくる物語として外せないものとして、ヤマザキマリによる漫画「テルマエ・ロマエ」がある。
古代ローマの浴場設計技師が現代日本へと転移するという、よくある異世界転移の逆のパターン。
ローマの公衆浴場から日本の銭湯へと転移するわけだから、定番のケロリン桶が出てこないはずはない。
出典:映画「テルマエ・ロマエ」/©ヤマザキマリ エンターブレイン
もちろんその後実写化された映画でも同様のシーンは存在する。
出典:映画「テルマエ・ロマエ」/©ヤマザキマリ 東宝 エンターブレイン
主役の阿部寛がいい味をだしている。もともとローマ人は金髪がそれほど多くなく、濃色の髪が大多数だったらしい。おまけに彫りも深い顔立ちは、日本人離れしている。
氷菓
米澤穂信による学園ミステリー小説「氷菓」はアニメ製作会社「京都アニメーション」によってアニメ化される。小説内ではさすがにケロリン桶に言及した文章はないが、アニメ版の7話にて、温泉に行った場面においてお約束の黄色い桶が登場する。
出典:アニメ「氷菓」/©米澤穂信 角川書店
ケロリンの「リ」の字がぼやかされているが。明らかにケロリン桶を意識した描写。
二枚目の画像では、主人公折木奉太郎の大事な部分を隠すのに役立っている。
ケロロ軍曹
吉崎観音による日本の漫画「ケロロ軍曹」は『月刊少年エース』で連載され、アニメ化もされた人気作品。
地球侵略をしに来たカエル型の宇宙人(ケロン人)・ケロロ軍曹が主人公たちが住む日向家に居候するところから始まるギャグマンガだ。
2013年にケロリン桶発売開始50周年を迎えることになり、連載15周年のケロロ軍曹とのコラボが実現する。
出典:ケロリンファン倶楽部
ここで面白いのが、このコラボがあって初めてマンガにケロリン桶が登場するのだ。
出典:コミック「ケロロ軍曹」/ ©吉崎観音 角川書店
実在の商品などを作品内に出すのではなく、その逆というのも珍しい例であろう。
けものフレンズ
2017年にもっとも話題になったアニメといえば「けものフレンズ」が挙げられるだろう。
CGを多用したチープな絵面で少人数で制作された作品だ。だが、ノーテンキな物語の進行とは裏腹に、その奥に隠された数々の伏線らしきものに焦点が当てられ、瞬く間に話題の作品となる。
さすがに作品内でケロリン桶が出てくることはないが、このアニメのキャラクターデザインが吉崎観音なのである。そう、一つ前の項目で紹介したケロロ軍曹のコミックを描いている作者だ。
このケロロ軍曹繋がりということで、けものフレンズとのコラボが実現する。
けものフレンズ×ケロリン桶 ©けものフレンズプロジェクトA
以上、ケロリン桶が登場する作品だが、内外薬品はアニメ作品とのコラボをこれからもやっていくだろう。その時にまた消化していきたいと思う。
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